自然共生ROOM
~自然共生について学ぼう!~
自然共生について学ぼう!
人と自然はつながっている
私たちの暮らしは、自然から多くの恵みをもらいながら成り立っています。
みなさんが、日々の暮らしの中で、「自然」とのつながりを感じるのは、どのようなときですか?
みなさんは、「自然」からどのような恵みを受けていると思いますか?
そして、これからも私たちの暮らしを豊かにしてくれる「自然」を守り、「自然」と良い関係を保っていくためにはどのようなことが大切だと思いますか?私たち“ヒト”と自然の関係を学んでいきましょう。
生物多様性とは?
生物多様性を守ることの大切さ
静岡県の現状
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静岡県の生物多様性
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森林の荒廃や竹林の拡大
人が植えた「人工林」は適切な手入れをすることで、健全に保つことができます。
しかし、近年、私たちの日々の生活や経済活動が変化したことで、人と森林との関わりがうすれ、手入れの行き届かない人工林が増えています。
その結果、森林の荒廃や放置された竹林の拡大が進み、水源かん養(水を貯め浄化する作用)や土砂流出、地球温暖化の防止など、森林が持つ多様な機能を発揮することが難しくなることが心配されます。
こうしたことを防ぐため、静岡県では森づくりに関するさまざまな取組を行っています。 -
生物多様性にせまる4つの危機
- ①開発(かいはつ)など、人の活動による危機(きき)
- 無計画な森林伐採や宅地造成、河川の直線化、水面の埋め立てなどによる生息環境の破壊や、希少な動植物の盗掘・乱獲・踏みつけなどにより、多くの生物の個体数の減少につながっています。
- ②自然環境に対する管理の縮小による危機
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かつて、集落に近い雑木林や草地は、暮らしを支える燃料や材料を得るため、適度な管理がされていました。その管理のおかげで、命をつないできた生物がたくさんいます。
しかし、私たちの暮らしの変化とともに管理がうすれ、そうした生物たちが絶滅の危機にひんしています。
また、林業生産活動の低迷により荒れた森林が増えたり、森林の持つ水源かん養や土砂流出防止の機能低下などが心配されています。
さらに、耕作放棄地の増加や放置竹林の拡大と狩猟者の減少・高齢化は、二ホンジカやイノシシなどの増加の原因となり、地域の生態系に大きな影響を与えています。
- ③人により持ち込まれた生物による危機
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外来生物が侵入することは、生物多様性にさまざまな影響をあたえます。
もともと日本にいた生物が生息場所を奪われたり、食べられてしまったり、交雑によって遺伝的な固有性が失われたりすることで、生態系のバランスが崩れることにつながっていきます。
またヒアリやアカカミアリなどは、刺されると強い痛みがあり、体質によっては、強いアレルギー反応を起こす恐れがあるなど、人の健康にも直接影響がある場合があります。
- ④地球環境の変化による危機
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国際的な専門家による研究機関(IPCC(アイピーシーシー)が2021年に発表した報告書では、このまま地球温暖化対策を実施しない場合、今世紀末には気温が3.3~5.7℃上昇するおそれがあると予測しています。
こうした地球環境の変化は、さまざまな生物の分布のほか、植物の開花や実がなる時期、昆虫の発生時期などに変化をおよぼすと考えられています。
南アルプスが世界の分布南限であるライチョウは、地球温暖化の進行にともなう生息域の減少により、絶滅のおそれがあります。
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生態系のバランスが崩れると・・・
静岡県はこんなことに取り組んでいます
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自然とのふれあい促進
野外活動や自然とのふれあい体験を通じて、自然への理解を深めてもらうため、県内各地に自然ふれあい施設を設置、運営をしています。
自然ふれあい施設では、豊かな自然の中で散策やキャンプ、自然観察どを楽しむことができたり、環境教育プログラムに参加して、指導員から自然について学ぶこともできます。 -
森づくり県民大作戦
県民のみなさんによる森づくりを進めるために、「森づくり県民大作戦」を開催しています。
森林を整備する活動はもちろん、植物・生き物の観察会、クラフト体験会など、みなさんが気軽に自然とふれあえる行事を数多く実施しています。 -
しずおか未来の森サポーター制度
森づくり活動の担い手として企業にも参加してもらうために、「しずおか未来の森サポーター制度」を実施しています。
社会貢献活動として森づくり活動を行う企業等を「しずおか未来の森サポーター」として認定し、県は森づくり活動を行う場所の紹介や企業の社会貢献活動をPRして、企業が行う森づくり活動を支援しています。 -
自然公園の設置・管理
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希少種の保護
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野生鳥獣管理
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外来種対策
もともと、その地域に自然分布していた生物を「在来生物」、人の手によって本来の生息地から異なる生息地に移された生物を「外来生物」といいます(意図的でない場合も含まれます。例えば、靴底や衣服などに小さな虫や植物の種子が付いていることでも広まってしまいます)。
国や関係市町と連携し、専門家の指導のもと、外来生物の早期発見・駆除・定着防止に努めています。
地域の具体的な取組事例
静岡県内の各地域における活動(かつどう)事例(じれい)をみてみましょう。
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(活動例1)伊豆半島における活動
伊豆半島では、「伊豆半島ジオパーク推進協議会」が、地質遺産の価値を伝えるジオガイドの養成や、ジオツーリズムを通じた利活用による教育・普及活動などの取組を行っています。
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(活動例2)富士山における活動
(外来種撲滅大作戦、草原性植生保全)富士山麓の道路沿いに多く確認されている外来植物は、繁殖力が強いことから、富士山の希少な植物の生息地を奪うなど、自然環境へ悪影響を及ぼすおそれがあります。外来植物対策について、普及活動を進めるとともに、植物の専門家の指導のもと、外来植物除去活動をボランティアのみなさんと一緒に行っています。
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(活動例3)南アルプスにおける活動
静岡県では、衰退していく南アルプスの高山植物を保全するため、ニホンジカの食害を防ぐ柵(防鹿柵)を国や市町、ボランティアなどと協力し設置しているほか、特に絶滅が危惧される高山植物の種子を保存するとともに、その発芽を目指す取組を進めています。
また、まだ発見されていない種や、大変貴重な昆虫、動物などの生息状況や環境を調査、データ収集し、今後の保全活動に役立てる取組も進めています。 -
(活動例4)浜名湖・遠州灘における活動
浜名湖では、環境保全に取り組む団体が参加する交流会や意見交換会を、はまなこ環境ネットワークとの連携により開催しています。
また、自然観察会や浜名湖一斉清掃、地域住民と一緒に湖岸に漂着したごみの除去活動をはじめ、海浜特有の在来植物の群落を外来植物から守るため、地元の環境保全団体や県内の高校生と一緒に、海浜植物の観察と外来植物の抜き取り作業を行っています。
さらに、遠州灘沿岸では、ウミガメの産卵調査・卵の保護柵整備や、マイクロプラスチックゼロプロジェクトなどの活動を行っています。
もっと知りたくなったら
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こども環境白書 | 環境省
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生き物の「つながり」&「にぎわい」リーフレット | 静岡県
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森の力再生事業 こども向け学習ページ | 静岡県
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つなげて、支えて、豊かな駿河湾を未来へ(リーフレット「森は海の恋人」水の循環研究会報告書) | 静岡県
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森里川海のつながり学習会【川】(ティーチャーズガイド) | 静岡県
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森里川海のつながり学習会【里】(ティーチャーズガイド) | 静岡県
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森里川海のつながり学習会【森】(ティーチャーズガイド) | 静岡県
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森の力再生事業 ~森の力再生事業の現場で森づくりイベント開催~ | 静岡県
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森の力再生事業って何? | 静岡県
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南アルプスの宝箱 〜南アルプス魅力発信・環境学習サイト〜 | 静岡県
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【4K】誰かに見せたくなる南アルプスの景色part1 gakujo_aya×taisukegt×shizuokapref | 静岡県
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クマの巣穴をのぞいてみた。 ‐南アルプスYouTubeカレッジ 2時限目 前半‐ | 静岡県
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標高2,400mで作業してきました。‐南アルプスを守るお話‐ | 静岡県
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タカネマンテマ種子増殖チーム(磐田農業高校)-南アルプス高山植物種子保存プロジェクト- | 静岡県
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みんなで学ぶ、みんなで守る 生物多様性 | 環境省
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【南限の絶滅危惧種を救え!】高校生が絶滅危惧種の種子増殖に挑む! 南アルプスを守るお話 タカネマンテマ編 | 静岡県
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東海自然歩道コースマップ | 静岡県・(公社)静岡県観光協会