守ろう!地球を

自然しぜん共生きょうせいROOM

~自然共生について学ぼう!~

自然しぜん共生きょうせいについて学ぼう!

自然環境と生き物について知っておこうのん。

人と自然しぜんはつながっている

 私たちの暮くらしは、自然から多くの恵めぐみをもらいながら成り立っています。
 みなさんが、日々の暮らしの中で、「自然」とのつながりを感じるのは、どのようなときですか?
 みなさんは、「自然」からどのような恵みを受けていると思いますか?
 そして、これからも私たちの暮らしを豊ゆたかにしてくれる「自然」を守り、「自然」と良い関係を保っていくためにはどのようなことが大切だと思いますか?私たち“ヒト”と自然の関係を学んでいきましょう。

生物せいぶつ多様性たようせいとは?

 地球上には、現在、名前がついているもので約175万種、実際じっさいは約3,000万種の生物せいぶつがいるといわれています。
 これだけ多くの種類が存在するのは、地球に最初の生命せいめいが誕生たんじょうしてから、何十億おく年もの長い年月の中で様々な環境かんきょうに適応てきおうし、また、お互いに影響えいきょうを及およぼしながら、多様たように進化しんかしてきたからです。
 このように多くの種類の生物がいて、それらが様々さまざまな形でつながり合っていることを「生物せいぶつ多様性たようせい」といいます。

生物のつながり 生物のつながり

生物せいぶつ多様性たようせいを守ることの大切さ

 私たち“ヒト”も生物せいぶつの一種いっしゅであり、“ヒト”の生活は、生物せいぶつ多様性たようせいからもたらされる様々さまざまな恵めぐみによって支えられています。
 例えば、生活に必要な衣食住いしょくじゅうの材料ざいりょうを得える、空気や水をきれいな状態じょうたいに保たもつ、文化を生み出す源みなもとになるなど、いずれも私たちが健康けんこうで文化的な生活を送るために必要なものばかりです。
 このような生物多様性の恵みは、「生態せいたい系けいサービス」と呼ばれています。
 私たちがこれからも末永すえながく生態系サービスを得ていくためには、その源である生物せいぶつ多様性たようせいを維持いじしていくことが大切です。

生物多様性のめぐみ 生物多様性のめぐみ(生態系サービス)

静岡県の現状げんじょう

  • 静岡県の生物せいぶつ多様性たようせい

     静岡県内には、ユネスコ世界ジオパークの伊豆いず半島はんとうをはじめ、世界せかい文化ぶんか遺産いさんの富士山、ユネスコエコパークに登録とうろくされた南アルプス、水産すいさん資源しげんにめぐまれた浜名湖はまなこ、「世界で最も美しい湾わんクラブ」に加盟かめいしている駿河湾するがわんなど、世界に誇ほこる自然しぜん環境かんきょうがそろっています。
     こうした恵まれた環境の中、静岡県には、動物、植物、菌類きんるいの合わせて約1万3千種もの野生やせい生物せいぶつが生息せいそく・生育せいいくしています。

    静岡県の生物多様性  
  • 森林の荒廃こうはいや竹林ちくりんの拡大かくだい

     人が植えた「人工じんこう林りん」は適切てきせつな手入れをすることで、健全けんぜんに保たもつことができます。
     しかし、近年、私たちの日々の生活や経済けいざい活動かつどうが変化したことで、人と森林との関わりがうすれ、手入れの行き届かない人工林が増えています。
     その結果、森林の荒廃こうはいや放置ほうちされた竹林ちくりんの拡大かくだいが進み、水源すいげんかん養よう(水を貯ため浄化じょうかする作用さよう)や土砂どしゃ流出りゅうしゅつ、地球ちきゅう温暖化おんだんかの防止など、森林が持つ多様たような機能きのうを発揮はっきすることが難むずかしくなることが心配されます。
     こうしたことを防ぐため、静岡県では森づくりに関するさまざまな取組を行っています。

    手入れが行き届かない森林 手入れが行き届かない森林
    放置され拡大した竹林 放置され拡大した竹林
  • 生物せいぶつ多様性たようせいにせまる4つの危機きき

    ①開発(かいはつ)など、人の活動による危機(きき)
     無計画むけいかくな森林しんりん伐採ばっさいや宅地たくち造成ぞうせい、河川かせんの直線化ちょくせんか、水面すいめんの埋うめ立てなどによる生息せいそく環境かんきょうの破壊はかいや、希少きしょうな動植物どうしょくぶつの盗掘とうくつ・乱獲らんかく・踏ふみつけなどにより、多くの生物の個体数こたいすうの減少げんしょうにつながっています。
    開発の様子 開発の様子
    ②自然しぜん環境かんきょうに対する管理かんりの縮小しゅくしょうによる危機きき
     かつて、集落しゅうらくに近い雑木ぞうき林ばやしや草地くさちは、暮らしを支える燃料ねんりょうや材料ざいりょうを得えるため、適度てきどな管理かんりがされていました。その管理のおかげで、命をつないできた生物がたくさんいます。
     しかし、私たちの暮らしの変化とともに管理がうすれ、そうした生物たちが絶滅ぜつめつの危機ききにひんしています。
     また、林業りんぎょう生産せんさん活動かつどうの低迷ていめいにより荒あれた森林が増えたり、森林の持つ水源すいげんかん養ようや土砂どしゃ流出りゅうしゅつ防止ぼうしの機能きのう低下ていかなどが心配されています。
     さらに、耕作こうさく放棄ほうき地ちの増加や放置ほうち竹林ちくりんの拡大かくだいと狩猟しゅりょう者しゃの減少・高齢化こうれいかは、二ホンジカやイノシシなどの増加の原因となり、地域の生態せいたい系けいに大きな影響えいきょうを与えています。
    イノシシ イノシシ
    ③人により持ち込まれた生物せいぶつによる危機きき
     外来がいらい生物せいぶつが侵入しんにゅうすることは、生物せいぶつ多様性たようせいにさまざまな影響えいきょうをあたえます。
     もともと日本にいた生物が生息せいそく場所ばしょを奪うばわれたり、食べられてしまったり、交雑こうざつによって遺伝的いでんてきな固有性こゆうせいが失われたりすることで、生態せいたい系けいのバランスが崩くずれることにつながっていきます。
     またヒアリやアカカミアリなどは、刺さされると強い痛いたみがあり、体質によっては、強いアレルギー反応はんのうを起こす恐れがあるなど、人の健康にも直接影響がある場合があります。
    ヒアリ ヒアリ
    ④地球ちきゅう環境かんきょうの変化による危機きき
     国際的こくさいてきな専門家せんもんかによる研究けんきゅう機関きかん(IPCC(アイピーシーシー)が2021年に発表した報告書ほうこくしょでは、このまま地球ちきゅう温暖化おんだんか対策たいさくを実施じっししない場合、今世紀こんせいき末まつには気温が3.3~5.7℃上昇じょうしょうするおそれがあると予測よそくしています。
     こうした地球ちきゅう環境かんきょうの変化は、さまざまな生物せいぶつの分布ぶんぷのほか、植物の開花かいかや実がなる時期、昆虫こんちゅうの発生はっせい時期じきなどに変化をおよぼすと考えられています。
     南アルプスが世界の分布ぶんぷ南限なんげんであるライチョウは、地球ちきゅう温暖化おんだんかの進行にともなう生息域せいそくいきの減少げんしょうにより、絶滅ぜつめつのおそれがあります。
    地球温暖化でもふれているから確認するのん
  • 生態せいたい系けいのバランスが崩くずれると・・・

     生態せいたい系けいは、多くの生物せいぶつが影響えいきょうしあいながらバランスを保たもっています。このため、一つの種しゅが失われると、生態せいたい系けいのバランスが崩くずれ、他の多くの種にも影響が出ることになります。
     特に食物しょくもつ連鎖れんさの上の方に位置し、他の生物に大きな影響を与える「キーストーン種しゅ」※を守ることは、生態系を維持いじするうえで重要です。例えば、南アルプスに生息せいそくする水生すいせい生物せいぶつの中で、食物しょくもつ連鎖れんさの上位に位置する「ヤマトイワナ」は、ごく近い将来しょうらいに絶滅ぜつめつの危険性きけんせいが高いため、生息せいそく環境かんきょうも含めた保全ほぜんが必要です。
     なお、現状では、生物間せいぶつかんのすべてのつながりが解明かいめいされていないので、できるだけ多くの生物を守っていくという視点してんが大切です。

    南アルプスの食物連鎖模式図 南アルプスの食物連鎖模式図
    出典:南アルプスユネスコエコパーク管理運営計画(静岡市域版),2015,静岡市
キーンストン種とは比較的少ない生物量でありながら、生態系へ大きな影響をあたえる生物種のことじゃよ

静岡県はこんなことに取り組んでいます

  • 自然とのふれあい促進そくしん

     野外やがい活動かつどうや自然とのふれあい体験たいけんを通じて、自然への理解りかいを深めてもらうため、県内各地に自然ふれあい施設しせつを設置せっち、運営うんえいをしています。
     自然ふれあい施設では、豊ゆたかな自然の中で散策さんさくやキャンプ、自然しぜん観察かんさつどを楽しむことができたり、環境かんきょう教育きょういくプログラムに参加して、指導しどう員いんから自然について学ぶこともできます。

  • 森づくり県民けんみん大作戦だいさくせん

     県民のみなさんによる森づくりを進めるために、「森づくり県民けんみん大作戦だいさくせん」を開催かいさいしています。
     森林を整備せいびする活動はもちろん、植物・生き物の観察かんさつ会かい、クラフト体験たいけん会かいなど、みなさんが気軽きがるに自然とふれあえる行事を数多く実施じっししています。

    詳しく見る

    伐採体験の様子 伐採体験の様子
  • しずおか未来の森サポーター制度せいど

     森づくり活動の担にない手てとして企業きぎょうにも参加してもらうために、「しずおか未来の森サポーター制度」を実施じっししています。
     社会しゃかい貢献こうけん活動かつどうとして森づくり活動を行う企業等を「しずおか未来の森サポーター」として認定にんていし、県は森づくり活動を行う場所の紹介しょうかいや企業の社会しゃかい貢献こうけん活動かつどうをPRして、企業が行う森づくり活動を支援しえんしています。

    詳しく見る

    未来の森サポーター協定の仕組み 未来の森サポーター協定の仕組み
  • 自然しぜん公園こうえんの設置せっち・管理かんり

     すぐれた自然の風景地ふうけいちを保護ほごし、その利用を進めることにより、保健ほけんや休養きゅうようのためや、生物せいぶつ多様性たようせいを確保かくほするため、国立こくりつ公園こうえんや県立けんりつ自然しぜん公園こうえんが指定していされています。
     県内の自然公園の面積めんせきは約840k㎡と、県土けんど全体ぜんたいの10.8%を占めます。

    静岡県の自然公園 静岡県の自然公園
  • 希少種きしょうしゅの保護ほご

     静岡県では1万種以上の動植物どうしょくぶつが確認されていますが、そのうち618種は絶滅ぜつめつのおそれがあるとされています。
     希少きしょう野生やせい動植物どうしょくぶつの絶滅を防ぐため、県内の絶滅の危機ききにある野生動植物種を調べ「県レッドリスト」に掲載けいさいし、生息せいそく・生育せいいく状況じょうきょうや保護ほご対策たいさくどを「県レッドデータブック」にとりまとめ、自然しぜん環境かんきょう保護ほご・保全ほぜん対策たいさくの重要な資料としています。

     
  • 野生やせい鳥獣ちょうじゅう管理かんり

     ニホンジカやイノシシなど、一部の動物については、数が増えて生息域せいそくいきが広がっているため、生態せいたい系けいへの影響えいきょうや農林のうりん水産業すいさんぎょうへの被害ひがいが拡大かくだい・深刻化しんこくかしています。
     高齢化こうれいかや都市化としかによって里山さとやま地域ちいきから人が減ったことで、里地さとち里山さとやまが荒れ、野生やせい鳥獣ちょうじゅうの生息せいそく範囲はんいが広がったことや、狩猟しゅりょう者しゃが減少げんしょう・高齢化こうれいかしていること、地球ちきゅう温暖化おんだんかによって、冬にエサが豊富ほうふになったことで数が増えたことなどが原因と考えられています。

    主要鳥獣種の捕獲数
    出典:静岡県,2018,ふじのくに生物多様性地域戦略
  • 外来がいらい種しゅ対策たいさく

     もともと、その地域に自然しぜん分布ぶんぷしていた生物を「在来ざいらい生物せいぶつ」、人の手によって本来の生息地せいそくちから異なる生息地に移された生物を「外来がいらい生物せいぶつ」といいます(意図的いとてきでない場合も含まれます。例えば、靴底くつぞこや衣服いふくなどに小さな虫や植物の種子しゅしが付いていることでも広まってしまいます)。
     国や関係市町と連携れんけいし、専門家せんもんかの指導しどうのもと、外来生物の早期そうき発見はっけん・駆除くじょ・定着ていちゃく防止ぼうしに努つとめています。

    セイヨウオオマルハナバチ セイヨウオオマルハナバチ
    ブルーギル ブルーギル

地域の具体的ぐたいてきな取組事例

 静岡県内の各地域における活動(かつどう)事例(じれい)をみてみましょう。

  • (活動例1)伊豆いず半島はんとうにおける活動

     伊豆いず半島はんとうでは、「伊豆半島ジオパーク推進すいしん協議会きょうぎかい」が、地質ちしつ遺産いさんの価値かちを伝えるジオガイドの養成ようせいや、ジオツーリズムを通じた利り活用かつようによる教育・普及ふきゅう活動かつどうなどの取組を行っています。

    ユネスコ世界ジオパーク ユネスコ世界ジオパーク
    柿田川での自然観察会 柿田川での自然観察会
  • (活動例2)富士山における活動
    (外来がいらい種しゅ撲滅ぼくめつ大作戦だいさくせん、草原性そうげんせい植生しょくせい保全ほぜん)

     富士ふじ山麓さんろくの道路沿いに多く確認されている外来がいらい植物しょくぶつは、繁殖力はんしょくりょくが強いことから、富士山の希少きしょうな植物の生息地せいそくちを奪うばうなど、自然しぜん環境かんきょうへ悪あく影響えいきょうを及およぼすおそれがあります。外来がいらい植物しょくぶつ対策たいさくについて、普及ふきゅう活動かつどうを進めるとともに、植物の専門せんもん家かの指導のもと、外来がいらい植物しょくぶつ除去じょきょ活動かつどうをボランティアのみなさんと一緒に行っています。

    ボランティアによる外来植物除去活動 ボランティアによる外来植物除去活動
    専門家による説明 専門家による説明
  • (活動例3)南アルプスにおける活動

     静岡県では、衰退すいたいしていく南アルプスの高山こうざん植物しょくぶつを保全ほぜんするため、ニホンジカの食害しょくがいを防ぐ柵さく(防鹿ぼうろく柵さく)を国や市町、ボランティアなどと協力し設置せっちしているほか、特に絶滅せつめつが危惧きぐされる高山植物の種子しゅしを保存するとともに、その発芽はつがを目指す取組を進めています。
     また、まだ発見されていない種しゅや、大変貴重きちょうな昆虫こんちゅう、動物などの生息せいそく状況じょうきょうや環境を調査ちょうさ、データ収集しゅうしゅうし、今後の保全ほぜん活動かつどうに役立てる取組も進めています。

    ニホンジカ食害対策 ニホンジカ食害対策
    日本では南アルプスのみに生育する絶滅危惧種のタカネマンテマ 日本では南アルプスのみに生育する絶滅危惧種のタカネマンテマ
  • (活動例4)浜名はまな湖こ・遠州灘えんしゅうなだにおける活動

     浜名はまな湖こでは、環境かんきょう保全ほぜんに取り組む団体が参加する交流会こうりゅうかいや意見いけん交換会こうかんかいを、はまなこ環境ネットワークとの連携れんけいにより開催かいさいしています。
     また、自然しぜん観察会かんさつかいや浜名はまな湖こ一斉いっせい清掃せいそう、地域住民と一緒に湖岸こがんに漂着ひょうちゃくしたごみの除去じょきょ活動かつどうをはじめ、海浜かいひん特有とくゆうの在来ざいらい植物しょくぶつの群落ぐんらくを外来がいらい植物しょくぶつから守るため、地元の環境かんきょう保全ほぜん団体だんたいや県内の高校生と一緒に、海浜植物の観察かんさつと外来植物の抜ぬき取り作業を行っています。
     さらに、遠州えんしゅう灘なだ沿岸えんがんでは、ウミガメの産卵さんらん調査ちょうさ・卵の保護ほご柵さく整備せいびや、マイクロプラスチックゼロプロジェクトなどの活動を行っています。

    外来植物の除去活動 外来植物の除去活動
    ウミガメの放流 ウミガメの放流

何ができるかみんなで考えてみよう!

  • 自然に触ふれ、自然への興味きょうみ・関心かんしんを持つ

    • 自然の中で遊ぶことの大切さや地域の特色とくしょく、生き物の生態せいたいや面白おもしろさを実感じっかんしよう。
    • 自然に触ふれ、自然への愛着あいちゃくを持とう。
  • 自然の重要性じゅうようせいを理解りかいし、「行動する」「活動する」

    • ごみ拾ひろいや、生き物調べなど、生き物を守る活動に参加しよう。
    ごみ拾い(富士山) ごみ拾い(富士山)
    ボランティアによる防鹿柵の設置(南アルプス) ボランティアによる防鹿柵の設置(南アルプス)
  • 生物せいぶつ多様性たようせいに対する意識いしき・関心かんしんを高め、行動に結むすびつける

    • 生物せいぶつ多様性たようせいに意識いしき・関心かんしんを持ち、実際じっさいに生物多様性の保全ほぜん、利用の行動に結びつけよう。

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